【最重要】相続税がゼロでも相続税申告が必要な件
公開日 2019年7月16日 最終更新日 2019年10月27日
最終更新日:2019/07/16
こんにちは、名古屋相続税無料診断センターの佐治です。
ふだんお客様とお話していて、相続税の試算をした結果、相続税がゼロになることがときどきあります。
お客様も「相続税がかからないなら、何もしなくていいですよね」と言われるのですが、「ちょっと待ってください!」と必ずわたしたちはお伝えします。
実は相続税がかからなくても申告が必要な場合があるのです。
この記事では相続税専門の税理士が、
税金がゼロなのに申告が必要なのか解説します。
もくじ
|
1.相続税がゼロでも申告が必要な人
小規模宅地等の特例、相続税の配偶者控除などの制度を利用して、相続税がゼロになる場合、相続税を納める必要はありませんが、申告は必要になります。
言いかえると、これらの制度を使わずに正味の遺産総額が基礎控除以下なら、相続税申告は不要です。
一方、これらの制度を使って、正味の遺産総額が基礎控除以下なら、相続税の申告をする必要があります。
相続税の申告をする必要があるのに、相続税の申告を提出しなかった場合、これらの特例を利用できず、相続税が発生する可能性があります。
2.相続税の申告はいつまでにするのか
相続税申告書の提出と相続税の納付には期限があり、ともにその期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内となっています。
申告や納付する義務があるのに、10か月以内に手続きをしないと無申告になります。
期限までに申告や納付をしない場合、本来の相続税とは別に無申告加算税、過少申告加算税、延滞税、重加算税などがかかる可能性があります。
どうしても自分が申告や納付をしなければいけないか不安に感じたら、相続専門の税理士へ聞いてみることをおすすめします。
3.小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、亡くなった人や生活を共にする親族の事業用や居住用の宅地に対して一定の要件を満たした場合、その宅地の評価額を80%減額できるという大変お得な制度です。
この特例を使うと
・1億円の価値がある宅地は2,000万円
・10億円の価値のある宅地は2億円
評価額をおえることができ、大幅な節税が可能になります。
この特例を使った結果、相続税がゼロになることもあります。
しかしこの特例を利用した結果、たとえ相続税がゼロになったとしても、10か月以内に相続税の申告を行う必要があります。
4. 配偶者の税額軽減
配偶者の税額軽減という制度は、配偶者が取得した遺産の額が遺産総額に配偶者の相続分を掛けて計算した金額以下の場合、納める相続税がないというものです。
簡単な例を使って説明します。
4-1.相続人が妻と子の場合
亡くなった人 : 夫
相続人 : 妻と子の計2人 |
この場合、配偶者の法定相続分は2分の1です。
配偶者が相続する財産の割合が遺産全体の2分の1までなら相続税はゼロです。
例えば夫が10億円の財産を残して死亡した場合、妻は5億円もらっても相続税はかかりません。
また、遺産全体の2分の1を超えた場合でも、遺産総額に配偶者の相続分を掛けた金額が1億6千万円以下の場合、1億6千万円までは財産を取得しても相続税はかかりません。
つまり、配偶者の相続財産が1億6千万円以下または1億6千万円を超えた場合でも、法定相続分までなら相続税額がかかりません。
4-2.相続人が夫と子の場合
亡くなった人 : 夫
相続人 : 妻と夫の兄の計2人 |
この場合、配偶者の法定相続分は4分の3です。
相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合、1億6千万円または、相続財産の3/4まで相続税はかかりません。
夫が10億円の財産を残して死亡した場合、妻は7億5千万円もらっても相続税はかかりません。
この特例を使うためには、原則として期限内に相続税申告をする必要があります。
例外的に期限後でも利用できますが、期限内に申告することをおすすめします。
5.まとめ
本来基礎控除以下なら、相続税の申告は不要です。
しかし小規模宅地等の特例や、配偶者の税額軽減を利用して基礎控除以下となって相続税がかからなくなる人は、相続税申告をしなければ相続税はゼロになりません。
この点だけはぜひ覚えておいてください。
もし相続税申告が必要にも関わらず、申告しない場合にはリスクがあるので、心配な人は、相続税専門の税理士へ相談することをおすすめします。
著者情報
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「税理士業はサービス業」 をモットーに、日々サービスの向上に精力的に取り組む。
趣味は、筋トレとマラソン。忙しくても週5回以上走り、週4回ジムに通うのが健康の秘訣。
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